"みんなの幸のためならば、
僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない"
星祭の夜、いつのまにかジョバンニは、天の川を走る小さな列車に乗っていた。
前の席には幼なじみのカムパネルラが座っていて、黒曜石でできた地図を眺めている。
─もうじき白鳥の停車場だよ ─
少年たちの星をめぐる物語。1924年、賢治28歳の頃執筆され、
以降、晩年まで繰り返し推敲が続いた『銀河鉄道の夜』。
死後、未発表の形で遺されたこの名作の最終稿を忠実に音声ドラマ化。
一、午后の授業
二、活版所
三、家
四、ケンタウル祭の夜
五、天気輪の柱
六、銀河ステーション
七、北十字
八、プリオシン海岸
九、鳥を捕る人
十、ジョバンニの切符
十一、船の遭難者
十二、姉弟と苹果
十三、信号手
十四、蝎の火
十五、サウザンクロス
十六、約束
十七、カムパネルラ
歌『星めぐりの歌』 + キャスト紹介
宮沢賢治(みやざわ・けんじ)
1896(明治29)年8月27日生~1933(昭和8)年9月21日没。岩手県花巻生まれ。ふるさと岩手を心象風景の理想郷"イーハトーブ"と呼ぶなど、独特な感性と自然観で捉えた作品を多数遺す。農業指導・研究家として活動し、教職を務めた後、「羅須地人会」を設立。農民生活向上のため粉骨砕身するが
肺結核に倒れ、世を去った。。代表作『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』、詩集『春と修羅』など。
※ Nokto de la Galaksia Fervojo(ノークト・デ・ラ・ガラクシーア・フェルヴォーィヨ)は、
エスペラント語で「銀河鉄道の夜(Night of the Galactic Railway)」の意味です。
(日本エスペラント図書刊行会刊、KONISI GAKU訳より)。
エスペラント語は世界の言語を橋渡しする国際語として知られ、賢治も学びました。
イーハトーブなど、賢治の造語にはエスペラント語の影響が見られます。