●長い間、愛されてきた日本の古典をお子さま向けに楽しく、わかりやすく収録しています
聴いて親しむ日本の古典 『源氏物語』『伊勢物語』『宇津保物語』『堤中納言物語』『枕草子』から12編のお話を収録
●『源氏物語』あらすじ
光る君はとても美しく可愛らしい王子で、皆に愛されていました。しかし、不幸なことに母親は光る君が三つの時に倒れて亡くなってしまい、父親である帝もひどく気を落としてしまいましたが、光る君の存在は帝にとっても救いでした。
しかし、それ以上に気を落としていたのは光る君のおばあさんで、娘を亡くしてからは毎日泣き暮らし、孫である光る君のことを案じながら、その三年後に娘の後を追うように亡くなってしまったのでした。それでも光る君は帝の愛情を受けて立派に育ち、学問や礼儀作法だけではなく、楽器や絵画の才能にも恵まれていました。
そして、十二歳になった時には元服して源氏の姓を与えられて、「源氏の君」や「光る源氏の君」とも呼ばれるようになり、徳の高い左大臣の家の婿に迎えられたのです。
こうして、光り輝くような未来が約束された光る君でしたが、その人生は決して穏やかなものでは無かったのです。
●収録しているお話
『源氏物語』
・光る君
・すずめの子
・須磨の浦
・るり姫
・浮舟物語
『伊勢物語』
・歌の旅
・お花見
『宇津保物語』
・琴の名人
・木の洞のおやこ
『堤中納言物語』
・虫ずきのお姫さま
『枕草子』
・おきなまろ
島津久基(しまづ ひさもと)
国文学者。1891年、鹿児島県生まれ。古代中世の伝説・説話・物語文学の研究に優れた業績をあげ、該博な知見を駆使した緻密な考証態度と柔軟尖鋭な感性の統一された研究方法に定評がある。主な著書に『近古小説新纂初輯』 (1928) ,『義経伝説と文学』 (1935) ,『対訳源氏物語講話』 (1930~49) などがある。