"激動の時代、往年のヒロインたちは己の"生"をどう全うしたのか――
事実6割! 思い込み3割! 嘘1割!
講談界のニューヒロインによる荒唐無稽なエンターテイメント物語!?
いざ、開演!
ようこそお越しいただきました~。
はい、私、講談師の神田蘭と申します。
講談とはね、日本の古典芸能の話芸なんですが、私が特に力を入れて取り組んでおりますテーマは「女性の人生」でございます。
数百年も前に実在した往年のヒロインたちは、どんな「人生の決断」、「恋愛の決断」をしたのか? 楽しんで学んでいただけたら幸いです。
た・だ・し、「歴史はイマジネーション」、そう!
事実6割!
思い込み3割!
嘘1割!
で、面白おかしく語らせていただきます。
それでは、私、神田蘭が講釈いたします!
最後までお付き合いのほど、よろしくお願い致します!
本巻に登場する往年ヒロイン
樋口一葉
樋口一葉は、女流作家のパイオニア。五千円札の肖像画で顔を見たことがあるという人も多いのでしょう。樋口一葉は1872年、明治5年に東京で生まれました。本名は「一葉」ではなく「奈津」。彼女は、すぐに字が読めるようになり本ばかり読んでいた子供だったそうです。とは言え明治の世は女性に「学問なんていらない!」と言われていた時代。母親から「本なんて読んでも無駄だからやめなさい」と言われていたんだとか。そんな彼女が、19歳の時「小説を書いてお金を稼ごう」と思い立ち、新聞社の専属小説記者だった半井桃水を紹介してもらいます。半井桃水との出逢いが彼女の人生を大きく変えていく......。