オーディオブック シェイクスピアシリーズ第八弾
誰もが知っている"はず"のシェイクスピア作品をダイジェストにして続々お届けします。
「カタリーナや。このわがままなご婦人方に妻のお勤めの何たるか、ようく言って聞かせるがいい。」 「ようくお聞きなさい、わからずやの役立たずさん!
女には、家来が主人にお役目を負うように、夫に果たすべきお務めがありましょう・・・。」
じゃじゃ馬カタリーナ。
パデュアの金持ちの旦那バプティスタの総領娘は、手の付けられぬ暴れん坊、癇癪持ちのやかまし屋。
誰もが「じゃじゃ馬カタリーナ」そう呼んで憚らない。
口やかましい妻を男性がやりこめ、従順な奥さんに仕立て上げるこの物語は、中世の男権社会において、女性のアイデンティティの確立は結婚にありという常識を前提として、非常な人気を博した作品である。
しかし、本作は喜劇という形を取りながら、キリスト教的な考え方から男性の所有物として認識されていた当時の女性の立場の中、一方的に夫が妻をしつけるという短絡的なお話ではなく、お互いの出方を見ながら徐々にうまい関係性を築き、最終的には共犯者的な関係に落ち着くような夫婦の形を暗にほのめかしている。
男女が共生していく駆け引きのひとつの形を、皮肉たっぷりの普遍の笑いでお楽しみいただきたい。
→こんな人におすすめ
シェイクスピア作品に興味はあるが、全部読むのは面倒くさい
戯曲が中心なので、聴いた方が楽しめそう
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)
英国の劇作家・詩人。1592年~1612年ごろまで劇作家として活躍。四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残す。
・Charles and Mary Lamb's TALES FROM SHAKESPEARE: THE TAMING OF THE SHREW edited by Yu Okubo translated by Yuka Akune